『覆面作家企画 わたしはだあれ?』提出作品
『紅蓮』あとがきページ
[作品名] 紅蓮
[作者名] 中原まなみ
[作者サイト] ふぁんたじ〜ぽけっと
[掲載アドレス] http://manami.itigo.jp/novel/tanpen/guren.htm
[企画内でのブロック・アドレス] B-8
[ジャンル] 中国時代物風味の異世界恋愛FT?
[作品あらすじ]
花のように咲き、花のように散れ。其れが、母から賜った教え。
時は乱世。一つの山、一つの部族が焼かれようとしていた。
それは、ただひとつの譲れぬもののために。
中国時代物風味の異世界FT。
[感想]
まずはお読みいただいた方、推理していただいた方、そして企画サイトの主催者様に、感謝を。
ありがとうございます。>>主催サイト
普段短編にはあとがきを付けない(付けたとしてもちらっと一、二行)の中原ですが、お祭りです。書いちゃいます。
といってもあとがきをもともと書かないと何を書けばいいのかも判らず唸ってしまうのですが、嬉しいことにあとがきに関してまで企画がある。ので、そちらから引用させていただきます。>>あとがき企画
・最初にストーリーを思いついたのはどんな時でした?
締切当日。十時間勤務の仕事帰り、帰宅途中に寒い寒いと呟いていたときにふと。
絶対もう間に合わない! と思っていただけにネタが思いついたのが嬉しくて、二、三時間で書き上げました(汗)。
・それから、どのように展開しましたか?
とにかくもう時間がないわけです。帰宅したのが九時過ぎですから。しかも私事で次の日〆切のものも抱えていたという。怒涛のように書きはじめ(よって構成もしっかりは決まっていない状態で)、締め切りぎりぎりの夜二十三時半過ぎ、執筆完了。そのまま送信しました……。
・話の締めには苦労しましたか?
絞めはとくには。というか最初に思いついたのが冒頭の母の言葉と、最後の花のように揺れる血の映像だったので。
・削ったエピソードや、書き込めなかった裏話などがあれば教えてください。
応灯はとにかく欲しいものは手に入れる主義で、結構乱世を生き延びてきたらしいですよ、とか、蓮凛の父親(つまり、蓮花の夫)エピソードとか、思いついたのはいろいろあったんですが、書いてられるわけがなく全部ばっさばっさときりました(ぇー)。
・その作品の続編を書きたいですか?
どうやれば続編が書けるのでしょうかこの終わり方。
でも、うん、時間と気力と能力と要望があれば、この二人をもっとしっかり中編〜長編で書けたら楽しそうだとは思います。今のところ書く予定は皆無ですが。
・その作品の中で、気に入っているところはどこですか?
台詞回しかなぁ。応灯のごっつ自己中心的な性格も割りと好きですが(笑)。
・推理期間中の感想の中で、褒められた点は?
渋い、とか。台詞回しがかっこいい、とか。応灯素敵! とか(笑)。しっかりまとまってるから、これがあなたのではないか、という意見もありました。あと、戦争のやるせなさを感じてくれた方もいらっしゃったようです。ありがたい。
・執筆する際、推理をかわすために何か気を配りましたか?
ニヤニヤしながらトラップを張りまくりました!(笑顔)(最悪)
まずジャンルですね。異世界FT、現代FT、現代一般、童話、児童文学、SFもどき、コメディ、恋愛、西部劇風、はてはちょっぴしエッチなもの……と自サイト内はジャンルの幅が広いです。で、じっと考えてみて、それ以外のを書こうと思ったわけです。
残ったのは、ホラー、ミステリ、そして時代物。ミステリは筆力と脳みその関係で除外(切ない)。ホラーはサイトには載せてませんがややそれっぽいのを書いたこともあるので、これもつまらない。というより、その作品を読んだことのある身内にはばれるかもしれない。とすると? 残ったのは時代物だったわけです。とは言え時代物は考証が大変。二時間、三時間で書ききれる&調べられるわけもなく、異世界に設定。これが第一のトラップ、ジャンルです(笑)。
第二のトラップは人称。
私は一人称も三人称も書く人間なのですが、短編では大概一人称を選びます。
だとすると無論笑顔で三人称を選択です。作品の雰囲気から見ても三人称のほうがあっていましたので一石二鳥でございます。
第三のトラップは文体。
とは言えこれは、さして意識しておりません。というのも文体は常に変わる人間なので。そりゃ童話書くときと児童文学書くときとえっちいのを書くときに同じ文体でやってられるわけがなく自然と身についたわけですが。意識したのは、二つ。普段は開く単語も漢字使用率をあげる。出来るだけ簡素な文章にする、です。あ、あとどうでもいいんですが普段『わかる』という単語の変換は『判る』なんですが、『分かる』に変えてます。(細かい! 誰も見ねぇよそんなとこ!)
・推理される側になってみてどうでしたか?
すっげー楽しかったー!!
そしてここまで判られないとは思わなかった……!(叫)
実際のところ、トラップが見事に作動したらしく、正答率の低いこと低いこと……!
一発正解者はなんと一人という有様。(ピコサイトなので母数は少ないのですが、それでも全部あわせて推理してくれた方は20〜30くらい?)
びっくりしました(笑)。
今までもわりと『文体作風百面相』などと言われていたのですが、実証された感じです(笑)。
皆さん大体第一トラップジャンルで、この作品を最初から除外してくれる。
何せ今回同ブロックに中国時代物を書かれる方が二人もいた! これはでかいです。偶然にできたトラップです。意識して張ったトラップに、偶然のトラップが重なったのです。
まあ、あれです。正直御桜さんが参加されると聞いたとき『一緒のブロックになったら面白いだろうなぁ〜』と考えたのは事実です。だが現実になるとは思わなんだ!(笑)
やっぱり推理で御桜さんを上げてらっしゃる方もいて、恐れ多くてガクブルしてました。こっそり。
で、人称トラップに引っかかる方も多数。
も一つおまけに推理期間中に上げた短編二作がさらにトラップになった模様。
……確かにね! 二十二歳の人魚姫を読んだらね、B-9『そんな彼らの別れ方』、あたし書きそうだと思われるとおもいますけどね!(笑) ひどいのはあたしじゃない! あいちゃんだー!(笑)
さらには同ブロックに普段からやや作風の似てらっしゃる方もいらっしゃる(笑)。
『君に、千年咲く桜』を上げてくださる方も結構。……くーちゃんのところには『戦闘で悲恋で死別だから、紅蓮があなたのですよね』みたいな意見もあったそうなので、推理期間最終日に遊びに行ったとき、二人で納得してました(笑)。
そんなこんなな見事なまでのトラップづくしで、挑戦者はことごとくはまっていってくれました。
そういえばたった一人の正解者の推理の決め手を聞いたら『本人の性格』といわれた。
『俺、あんま作品読んでないもん。本人見てるだけ』
……。おま、それはどんなプロファイリングかと……!(吐血)
・こうした条件の下で作品を書いてみて気付いたことはありますか?
隠そうと思えば意外と隠せるみたいですね!
ところでうっかりうちの短編には花が多いのですが、今度またなんかの機会があったら、違う花と違うジャンルのお話に手を出して行きたい所存です。
・他の書き手さんと比較してみて気付いたことはありますか?
そういえば具体的にどんな『花』なのか、を本文中で明確に書いていないのは珍しいのかな?
でもBブロックは意外とひねくれた花が多かったのでさして浮いてもいなかったかなぁと(笑)
・その作品だけに限らず、執筆生活全体で気をつけていることはありますか?
その作品にあった文体を常に心がけております。
なので、文体で推理しにくいので中原は難しかったんじゃないかなぁと。
短編の中でこれに近いのは『グレイ-深淵に降る雨-』あたりの文章かな?
これでうっかり『二十二歳の人魚姫』やら『お月さまと歩こう』やら果ては『ぼくの、瑞穂ちゃん』なんて参考にした方がいたら全力で ご め ん な さ い 。と謝ります。
判るはずがねェ。
・他の参加作品の中で、一番印象に残っているものはどれですか?
沢山ありすぎて困るよ……! どれもこれも、美味しい花でございやした。
その中でも惚れた花をいくつか上げると、
A-11 『盲いた男』@木漏れ日のゆりかご A-12『モロッコの薔薇』@茅葺き屋根の家
B-3 『落つ白、散る赫い花』@桜月亭 B-4『君色の花』@Sugarless
D-12『バベルの塵』@彩色分光 でしょうか。
……こうして並べてみると、なんと傾向が判りやすいのか。静かな、それでいて心揺さぶる物語りが好きなのです。
・今回の参加者さんの中で、ぜひともお近づきになりたいと思った人は?
沢山(笑)。でも小心者なので、陰からうふふと見守っておきます。
あっ。でもっ。お友達になってくださるという方がいるなら諸手を上げて喜びますが……!!
・読み手さんに一言。
お読みいただきありがとうございました! ところで、今回のメインの『花』がなんだったか、判った人っているんでしょうか。
・他の参加者さんに一言。
お疲れ様でした! とてもとても楽しませていただきました。ご縁がありましたら、また是非お会いしましょうっ。
・企画者さんに一言。
まずは本企画サイトの主催者、にゃあにゃあことねこK・Tさんへ。
70作品以上という膨大な数をこなして、きっちりと企画にまとめてくださりありがとうございます!
本気でとても楽しませていただきました。
また、便乗企画としてやってくださった莅樺 想さんにも感謝を。楽しませていただいております。
ついでに、本当は書くべきではないのかもしれないことを(笑)。
『紅蓮』というタイトルが妙に気に入ってます。
ただの単語じゃねぇかと言われそうですが。そしてその通りなのですが。
しかし意外と幾つもの意味を同時にこめることの出来たタイトルなので。
まずはそのまま『紅蓮』 炎のイメージです。全体を通して山焼きのシーンなので、炎としての、紅蓮。
そして、ばらばらにします。まずは『紅』。口紅の紅です。作中蓮花が何度か意識しております。女としての意味合いがそこに含まれます。
そして『蓮』。蓮花の名前は『蓮の花』です。つまり蓮花自身をイメージしております。
それから、ラストシーン。湖に揺れる血の紅。自身から流れ出た命。それを彼女は『花のようだ』と思います。水に揺れる、蓮の花。紅の蓮。で、紅蓮なわけです。
もっとも、ンなこと気付いた人なんて作者であるあたしだけなんでしょうが(笑)、楽しかったので書いときます。えへ。
そんなわけで、うっかりすると本編なみにながいあとがきでした。
ありがとうございましたー!
想いに揺れるは
紅の蓮