お月さまと歩こう
真っ黒なお空に、黄色いお月さまがぽっかりうかんでた。
にこちゃんマークみたいにわらってた。
「だって、おかあさんが悪いんだもん」
それは、いつものマユミのくちぐせ。
いつもそう。すぐそうやって、すねる。わたしとケンカしても、いっつも言う。だって、ミキが悪いんだもん。って。マユミのほうが悪いくせに。
「そんなこと言ってたって、ここにずっといらんないよ」
ぎーぃ、ぎーぃ、ってきたない音で、ブランコがなる。この公園のブランコは、もうずいぶんくたびれてるな、ってパパが言ってた。そう言ってたパパの横で、ママは、パパとおんなじねって笑ってたけど。
マユミは、となりのブランコをぎーぃぎーぃ言わせながら、足でずるずる砂をけってた。すねてるんだ。いっこ下だけど、マユミはまだまだお子さまだね。
わたしは、マユミよりいっこ上。春になったら三年生になるから、マユミよりはずっとお姉さんだ。だから、ちゃんとマユミのこと見てやらなきゃいけないって、パパは言ってる。
「早く帰ろうよ。マユミのおかあさん、しんぱいしてるよ」
「してないよ。おかあさん、マユミのこときらいだもん」
すぐこれだ。
マユミは、みつあみをブランコと一緒にぶらぶらさせて、足で砂をずっとけってる。
ハト公園は、明かりが一本だけしかないから、くらい。
今、何時だっけ。たしかマユミのおかあさんからデンワもらったのが八時だったから、もう三十分くらいはいるはず。八時半? 夜おそくなってきた。だからちょっとねむい。
マユミがおかあさんとケンカしたって。それで、おうちとびだしちゃったって。ミキちゃんとこにきていない? って言われた。きてないよって答えた。きてなかったし。
でも、わたしはすぐにマユミがどこにいるかはわかった。マユミのおかあさんより、マユミのこと知ってるんだ。
ここだって思った。だってマユミ、この公園好きだから。
だから、パパにわがまま言って夜にちょっとだけ外に出してもらった。マユミをさがしにきたの。やっぱり、ここにいた。
マユミはひとりで泣きながらブランコこいでた。わたしのかおを見ると、ぐしぐしっ、てなみだふいた。
今はすっかり泣き止んだけど、そのかわりすねた。お子さま。
「マユミ、帰ろうよ。さむいよ」
「ミキがひとりでかえればいいでしょ!」
……すぐこれだ。
わたしは、ふうってため息ついた。パパがよくやってるのと同じ。それから、ブランコに立って、こぎはじめた。
ひざをまげて、のばす。ひざをまげて、のばす。
ぐん、ぐん、ぐん、ってちょっとずつ高くなっていく。となりでマユミが見上げている。マユミは、ひとりでの立ちこぎはまだできないんだ。だから、うらやましいんだと思う。
ぐーんっ。ぐーんっ。って地面が近くなったり、とおくなったりした。
ぎーいっ、ぎーいっ。
ブランコがうるさくないた。
かおを上げたら、すごいなぁって思った。
真っ暗なお空が、近づいてくるみたいだったんだ。
あと、それから、まんまるのお月さまも。
わたしはちょっとだけうれしくなって、もっともっとっていっぱいこいだ。ぎーいっ、ぎーいっ。
「ミキ、ミキ、マユミもやる!」
けど、いっぱいこいでたら、下でマユミが手をふって止めた。
しょうがないから、止まってあげる。わたしのほうが、お姉さんだもんね。
こんどは、マユミがすわって、わたしがマユミのうしろに立った。ふたりこぎ。これ、しちゃいけないって先生が言ってたけど、いつもやってる。
さいしょはマユミが足でうしろまでブランコをひっぱった。
たんっ! ってマユミが地面をけった。
えいっ!
わたしは、それにあわせて力いっぱいひざをまげた。けっこう、力いるんだよ、これ。
いっしょうけんめい、こいだ。
ぐーん。ぐーん。ぐーん!
どんどん高くなる。くつとばしたら、とおくまでいきそう。しないけどね。
「あ。おつきさま!」
マユミが、うれしそうにいった。
「おっきいね!」
「うん!」
あ。マユミわらってる。今日、はじめてだ。
わたしも、なんだかうれしくなって、もっともっといっぱいこいだ。
おっきいお月さまは、真ん丸くって、きらきらしてた。
きなこもちみたいだね。それともあれかな、にこちゃんマーク。さなえちゃんのふで箱についてたあのマークみたい。お月さまもわらってる。
「あのね、ミキ」
「なあにー?」
「お月さまって、ずっとずーっととおくにあるんだよね」
「うん。そうだよ!」
ブランコこぎながらお話するのは、ちょっとだけしんどい。
でもマユミは、それでもはなしてきた。
「あのね。マユミね、とおくにいっちゃうの。おかあさんと、それでケンカしたの。ミキと、もうあえなくなっちゃうの」
すこしだけ、マユミが何を言ったのかわかんなかった。
ちょっとしてからわかったら、ひざの力がぬけちゃって、ブランコをこげなくなった。
ブランコと、わたしと、マユミは、お月さまからとおのいた。
「おかあさん、サイコンするんだって。それで、おひっこしするんだって」
サイコン、ってのがわからなかったけど、マユミもわかってなさそうだったからほうっておいた。あとで、パパかママにきけばいい。
それより、そのあとのことばがびっくりした。
「おひっこし?」
「そう。おひっこし。とおいところいくんだって」
言いながら、マユミはまたぐずぐず泣いた。
わたしは、泣かなかった。よくわからなかった。
お月さまを見た。すんごくとおくにある。あるいていけないし、じてんしゃでもむり。パパの車でもむり。すんごくとおくにある。うちゅう人をよんできて、うちゅう船に乗せてもらったらへいきかもしれないけど。あと、ロケット。でも、そんなのわたしたちにはむりだ。
お月さまって、そんなにとおくにある。
マユミも、とおくにいっちゃうの?
にこちゃんマークみたいなお月さまが、何でかしらないけどゆらゆらした。
知らないかおで、わらってる。ずるい。わたしは泣きそうのに、お月さま、わらってる。
「マユミ、ミキとはなれるのやだ」
「わたしもいや!」
マユミがいったすぐあとに、わたしもいった。
ずっといっしょだったから、はなれるのなんていやにきまってる。
お月さまみたいに、さいしょっからとおかったら別だけど、マユミはすぐここにいるんだもん。何ではなれなきゃいけないの?
わかんないよ。
だれか教えて。
ふえー、って、マユミが泣きはじめた。これ、はじまるとずっとつづくんだ。どうしよう。でも、わたしもぐるぐるしてきた。どうしよう。
ひっく、ってしゃっくりがでそうになった。
でも、だめだって思った。
わたしは、マユミよりお姉さんだから、泣いちゃいけないんだ。パパがいつもそう言ってる。
つん、って上をむいた。こうやったら、涙はでない。そのかわり、鼻がちょっといたくなった。でも、ちょっとだからだいじょうぶ。
上をむいたら、お月さまが見えた。
お月さまは、わたしたちを見下ろしながら、知らないかおでわらってる。ずるい。ずるい。さいしょからとおいから、かんけいないって顔してるんだ。
ずるい。
あっかんべえ、ってベロだしてやった。ふんっだ。だいっきらい。
パパにあとでいいつけてやる。お月さまは、知らない顔してわらってたって、言いつけてやる。
そう考えて、あっ、て気がついた。
「マユミ、パパにどうしてって聞こう!」
「え?」
マユミが、鼻と目をまっかにして首を横にたおした。
「ミキのパパ?」
「うん。パパ! パパなら、何でも知ってるよ!」
お月さまみたいに知らない顔はぜったいしない。
わたしのどうしても、マユミのなんでも、いつもぜったい答えてくれる。
わたあめが何でふあふあなのか、とか、お日さまは何であったかいの、とか、お空は何であおいの、とか、何でも答えてくれた。ミミズのあたまはどっちなの、とか、かたつむりとなめくじのちがい、とか。何でもだ。
ママはときどき、そんなの子どもに言ったってむずかしいわよって笑ってるけど、そんなことない。パパは、ちゃんと教えてくれるから大好きだ。
パパなら、なんでマユミとはなれなきゃいけないのか答えてくれる。ぜったいだ。
マユミも、それがわかったんだ。うんっ、って頭をこっくりさせて、立った。わたしも立って、マユミの手をにぎった。
マユミの手、すごくつめたい。もうすぐ春だけど、まだ夜はさむいもん。ずっといたからあたりまえだ。
ぎゅうって強くにぎって、歩きはじめた。
マユミはちょっと歩くのおそいから、それにあわせてゆっくりだ。ほんとうはちょっとだけ、早くしてって思ったけど、そこはお姉さんだからがまんしなきゃ。
ハト公園をでて、おうちまでもうすぐってときに、マユミが小さな声で言った。
「ミキ、ミキ」
手を引っぱってきたから、わたしは歩くのをやめた。
そしたら、マユミがびっくりしたみたいな声で言った。
「あ。止まった」
「だって、止まってほしかったんでしょ?」
「ううん。ちがうの、ミキじゃないの」
マユミはふるふるって首をふった。何を言ってるんだろうって思ったら、つないでいるのとは反対の手で、お空をゆびさした。
「お月さま。止まった」
「え?」
マユミの言うことに、わたしはヘンなのって顔してみせた。
「お月さまはいつだって止まってるよ」
「ちがうよ、止まってないよ! だって、ついてきてたもん!」
マユミがこんどはぶんぶんって首をふった。
「ついてきてたの! マユミとミキにずーっとだよ! マユミみてたもん! ずーっとついてきてた!」
「うそだぁ」
「ほんとうだよ! ミキ、あるこう! お空みてたら、わかるよ!」
マユミがぐいぐいって引っ張るから、しょうがないなぁって思った。だから、マユミの言うとおり、歩くことにした。
ゆっくりゆっくり。
お空のお月さまを見上げて。
……あれ? あれれ?
わたしが歩く。マユミも歩く。
お空のお月さまも、おんなじスピードで歩いてくる。
「……ほんとだ!」
「でしょ!」
マユミが、ほっぺたを赤くしていってきた。ほんとうだ! すごい、すごい!
びっくりしてあるくのをやめたら、お月さまもピタって止まった。
「……とまった」
「ねー!」
「なんでだろう!」
「わかんない!」
マユミがぶんぶん首をふった。わたしもわかんない。なんで?
わかんなかったから、マユミの手をひっぱってちょっと早く歩いてみた。ちょっと早く、ついてくる。なんで? なんで?
ちょっと走ってみた。走るはやさとおんなじについてくる! なんで? すごい!
何回か、おんなじことをしたあと、マユミがこう言った。
「ねぇ、お月さまって、マユミとミキ、どっちについてきてるの?」
わたしはちょっとこまっちゃった。わたしはパパみたいに何でも知ってるわけじゃない。
だから、
「じゃあ、ためしてみよう!」
って言ったんだ。
マユミと手をはなして、マユミはあっちに行ってね、って前をゆびさした。わたしはマユミにせなかを向けて、
「じゃあ、いっせーのーでいっしょに歩くよ?」
って言った。
ふりかえってみたら、マユミがウンって頭をたてにふった。
「いっせーのーで!」
声を大きく出して、歩きだした。
マユミははんたいに歩きだした。
ちょっとどきどきしながら、お空を見た。
――お月さまは、ついてきた!
わたしのほうについてきた!
お月さま、わたしについてきてたんだ。
「ミキ、ミキ!」
うしろで、マユミの声。わたしは歩くのを止めた。お月さまも、動くのをやめている。
「ミキ! お月さま、マユミのほうについてきたよ!」
……え?
わたしはちょっとびっくりした。なんで? お月さま、わたしについてきていたよ?
それをマユミに言うと、マユミもすんごいびっくりしてた。マユミのほうにも、ちゃんとお月さまついてきてたよって言った。
なんで、どっちにもついてきてるの? どうやったらそんなことができるの?
わかんなくなって、お空を見た。真っ黒な夜のお空の中で、やっぱりにこにこわらってるお月さま。どーしてどっちにもついてこれるのかな。
「ミキ! マユミちゃん!」
いきなり、そんな声が聞こえて、ちょっとびっくりした。
パパだ!
「パパ!」
「やっぱり一緒にいたんだな。早く帰って来いって言っただろ!」
パパはちょっとおこりながら、道の向こうからこっちにきた。
でも、そんなことより、早くパパに聞きたかった。
マユミとなんではなれなきゃいけないの、ってことと、あともういっこふえてた。
お月さまは、どうしてどっちにもついてくるの? って。
「ねぇねぇ、パパ! パパ! しつもん!」
「あ? まーたでたな、ミキのお得意の『なんで』が。なんだい?」
パパはちょっとだけ笑いながら、わたしたちの目の高さまでしゃがんでくれた。わたしは、マユミとちょっとだけ目をあわせて、
「あのね。マユミがとおくいっちゃうって、いったの」
「……ああ、杉山さんから聞いたんだな」
杉山さんって、マユミの名字。パパが言うときは、マユミのお母さんのことだ。
「うん。なんでとおくにいかなきゃいけないの? わたし、マユミとはなれるのやだ!」
「マユミもやだ!」
そう言ったら、パパ、ちょっとだけこまった顔した。
いつもなんだか下がっているまゆげを、もっと下げて、こまったなぁってお空を見上げた。
「んー。たしかに、やだよな」
「やだ!」
「でもな。遠くには行くけど、離れるわけじゃないんだよ?」
「……え?」
わかんなくって、きょとんってしたら、パパはわらって頭をぐしゃぐしゃしてくれた。
「ミキも、マユミちゃんも、ちゃーんとお互いのことを思いあっていられたら、離れることはないんだよ。遠くに行っても、そばにいるのと同じ、繋がっていられるんだ」
……パパは時々、すっごくむずかしいことを言う。
たぶん、わたし、そう思ったこと顔に出しちゃったんだと思う。パパはまたちょっとこまったみたいに笑った。
「遠くに行くのは、杉山さんが幸せになるためなんだ。お母さんが笑ってるほうが、マユミちゃんもいいだろう?」
マユミが、ちょっとだけ考えるみたいにしてから、うなずいた。
「マユミ、おかあさんわらってるほうがいい」
「そうだね。だから、遠くに行くのは寂しいけれど、我慢出来るかな?」
「……ミキとはなれたくない」
マユミが、またぐずぐず泣きだした。どうしよう。
けど、パパがいるからだいじょうぶだった。パパはぽんぽんってマユミの頭をちょっとだけたたいて、
「離れないって言っただろ? 離れない。だいじょうぶだよ」
って言った。
それから、うーんってうなった。
「どう言えば……あ!」
「え、なに、パパ?」
「お月様だよ! そう、お月様!」
パパが、思いついた! って顔で笑った。
お月さま?
パパは、お月さまをゆびさして、
「ミキ、知ってるか? お月様ってな、すっごく遠いところにあるだろう?」
「しってるよ!」
「マユミもしってるよ!」
マユミと二人で、ウンって言ったら、パパはにって笑った。
「じゃあ、これは知ってるか? お月様ってな、ついてくるんだぞ」
……あ!
「パパもしってるの? パパにもついてくるの!?」
「あれ、何だ知ってたのか」
「さっき、マユミとやったの! マユミとわたし、はんたいに歩いたのに、りょうほうについてきたんだよ!」
「ついてきたんだよ!」
ぴょんぴょんとびながら、そう言った。パパはうれしそうに笑った。
「そっか、じゃあ話は早い」
パパは、ぴってお月さまにおかあさんゆびを向けた。
「お月様は、遠いところにある。でも、お月様はいつだってそばについてくる。それはなーんでだ。はい、ミキ!」
うわあ、パパってばせんせいみたいだ! どうしよう!
「えと、えっと。ええっと」
「ぶぶー。時間切れ」
「えー!」
パパってば、早い! ずるい!
マユミ、笑ってる。自分じゃ答えられないくせに!
ぷってほっぺふくらませたら、パパはまた笑った。まゆげが、ふにゃんって思いっきり下がる。
「正解は、ミキがお月様をちゃんと見てたからだ。マユミちゃんもね。もちろん、パパもそうだ」
パパは、マユミとわたしの頭を、いっしょになでた。
「ちゃんとお月様を見てたから、お月様は遠いところにあるけれど、ずっとそばにいてくれたんだ。それとおんなじだよ」
パパは、マユミとわたしを交代交代に見ながら、笑った。
「ミキが、ちゃんとマユミちゃんのことをずっと思っていられたら、どんなに遠くてもそばにいられる。マユミちゃんもね、ずっとミキのことを好きだって思っていられたら、どんなに遠くに行っちゃっても、心はミキのそばにいられるんだよ」
お月さまみたいにね。
パパはそう言って、もう一度お月さまをゆびさした。
お月さまはやっぱり、にこにこわらってた。
……あれ? もしかして、さっきわらってたのも、このことを知ってたからなのかな。
はなれててもそばにいるって、知ってたからなのかな。
「ミキも、マユミちゃんも。ちゃんと思っていられるよね?」
パパはそう言って、マユミの手とわたしの手をつながせた。
わたしとマユミは目を合わせて、それから、お月さまを見上げて、二人でどうじにこくんって大きく頭をたてにふった。
マユミのことは、ちゃんといつだって思っていられるよ。
それから、マユミと、パパと、わたしと、三人で手をつないでマユミの家まで歩いていった。
お月さまをみながら、歩いていった。
お月さまは、ちゃんとずーっとそばについてきてくれた。
ずっとずっととおくにあるのに、ずっとそばにいてくれた。
ありがとう、お月さま。
マユミの家についたら、マユミのおかあさんがぎゅうってマユミをだきしめた。
マユミ、泣いてた。ごめんなさいって泣いてた。
マユミのおかあさんは、ミキちゃんとはなれることになってごめんねって言ったけど、マユミもわたしも、ちがうんだよって教えてあげた。
お月さまとおんなじで、そばにいられるんだよ、って教えてあげた。
そうしたら、マユミのおかあさんちょっとびっくりした顔して、それからそうだねって笑ったんだ。
マユミの家から、今度はわたしのおうちにかえる。パパとふたりで、手をつないで。
お月さまといっしょに歩いた。
「ねぇ、パパ」
「なんだ?」
「お月さま、ついてくるよ」
「ついてくるな」
「ずっとそばにいてくれるね」
「ずっとそばにいてくれるな」
「マユミもいっしょだよね?」
「ああ、いっしょだ」
わたしはちょっとうれしくなって、スキップした。
やっぱり、パパは何でも知っている。
お月さまも、いっしょにスキップしてた。お空の上で、ぴょんぴょんしてた。
パパと、お月さまと、いっしょに歩いた。
だいじょうぶ、お月さま、ちゃんとそばにいてくれるから。
だからきっと、マユミとも、ずっとそばにいられるよね。
真っ黒なお空に、黄色いお月さまがぽっかりうかんでた。
にこちゃんマークみたいにわらってた。
にこにこしながら、ずっとそばにいてくれた。
ありがとう、お月さま。
だいすき!
おしまい