◆高槻 あかね (たかつき あかね) 15歳・女
本編の主人公。中肉中背。高校一年生。
明るくはきはきしていて面倒見のいいおねえちゃん肌。
気が強くて意地っ張り。
両親の提案で、夏休みの一月だけ祖母の住むこの町にやって来た。
「あたし、ここにいたいよ。羽衣とか基とか、皆と一緒にいたい」
◆瀬戸 基 (せと もとい) 16歳・男
島に住む高校二年生。身長は高い。眼鏡。
隣島の学校に通っている。瀬戸家は桔梗亭のすぐ隣。
自称『低燃費地球エコロジスト』
マイペースで気のない素振りで生きている。感情が常にローテンション気味。
あまつ三家が一、瀬戸の息子。
「あかね。泣き方教えてやろうか」
◆羽衣 (うい/はごろも) 女?
あかねたちが拾う羽目になった『天女の羽衣』。
絹より軽く滑らかで、陽に透かすと七色に光る不思議な布。
何故か人の言葉を喋る。口調は思いっきり現代っ子。
高飛車でわがままで人使いが荒い。しょっちゅうあかねと口喧嘩をしている。
『うい』という呼び名は若菜の考案。
『あの子の元へ帰る方法を探すのを、あんたたち、手伝いなさい』
◆瀬戸 若菜 (せと わかな) 10歳・女
基の妹で、島に住む小学四年生。
体は小さいが声は大きく、おしゃまで口が達者。基は相当手を焼いている様子。
ポニー・テイルの良く似合うちびっ子。
あまつ三家が一、瀬戸の娘。
「ねぇあかねちゃん。あかねちゃんは、ちゃんと全部言った?」
◆大島 順司 (おおしま じゅんじ) 男
桔梗亭のお客さん。民俗学を研究しているらしい。
見た目はかなりの大男で恰幅がいいのに、実は小心者。
天女の羽衣伝説に惹かれてこの島にやって来た。
「君たちは、天女の子孫なんですよ」
◆高槻 時雨 (たかつき しぐれ) 男
あかねの祖父。現役の海の男。大雑把でおおらかな性格。
桔梗亭という島唯一の民宿を経営している。
桔梗のことを「きょうちゃん」と呼ぶラブラブ夫妻。
「きょうちゃんはずっと一番じゃが、あかねも同じくらい好きじゃ」
◆高槻 桔梗 (たかつき ききょう) 女
あかねの祖母。年齢より見た目も中身も俄然若い島のばあちゃん。
明るく元気で、いつも笑顔。桔梗亭の厨房を取り仕切っている。
昔は『天女の再来』とまで言われた美人だったらしい。
時雨のことを「しぃちゃん」と呼ぶラブラブ夫妻。
「ド田舎だけど、いいとこだよ。あんたにも見て欲しい」
◆都築 青太 (つづき せいた) 16歳・男
基の友人。調子のいい軽い性格。
子どもの頃は基を引っ張りまわして悪戯しまくっていたらしい。
若菜と仲良しの模様。
天女の子孫あまつ三家が一、都築家の息子。
「女の子にちゃん付けされるのは大歓迎だねぇ」
◆伊嵯孤命 (いさごのみこと) 男
嵯孤島に伝わる天人女房譚の中で、天女の羽衣を盗んだ男。
漁師だった。通称イサゴ。
天女との間に三人の子をなしたといわれている。
◆天月夜姫 (あまつくよのひめ) 女
嵯孤島に伝わる天人女房譚の中で語られる、地上に降りた天女。
三人の子を産んだといわれている。
通称ツクヨ。
嵯孤島 (さこじま)
――物語の舞台の島。
御木島 (みきじま)
――嵯孤島の隣島。
蕗山 (ふきやま)
――島の中央付近にある山。その麓には蕗林がある。
コタマ山(こたまやま)
――島の東南にある山。もともとは言霊山と呼ばれていた。
*天人女房譚 (てんにんにょうぼうたん)
――羽衣伝説、天女伝説の総称。
*伯耆(ほうき)
――島根県の地名。ただし古い呼び名。
*邑智郡(おおちぐん)
――島根県の地名。
*打吹山(うちふきやま)
――島根県の邑智郡にある山の名前。
*喜界島(きかいじま)
――鹿児島にある島の名前。
*蒲生の集落(がもうのしゅうらく)
――喜界島の中にある集落。
*白鳥処女説話(スワン・メイデンタイプ)
――天人女房譚の欧州での一般的総称。
*印は大島さんが話す内容に出ます。あんまり重要でもないです(笑)。