中編・完結済み/原稿用紙102枚

 夏休み。十四歳の誠一は、シロツメクサの咲き誇る祖父の家へとやってきた。
 ところが、祖父の持っていた懐中時計を手にしたことから物語りは転がり始める。
 それは昭和二十一年――
 遠い日の、忌まわしく狂おしい愛の記憶。
 止まった時と、壊れゆく美しさの物語り。

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予告編

*なお当小説には、性的描写や残酷描写、暴力描写が含まれます。
苦手な方はご注意ください。

◆◇◆本編◆◇◆

第一話   それは、昭和十七年。僕は十歳。花穂が十二の頃だった。

第二話   そして僕は、僕であることを忘れた。

第三話   壊れゆく君こそ、美しいのだから。

第四話   切り離された白猫の首に花穂は頬を摺り寄せた。

第五話
   死んだかい?

第六話
   哀しみが二度と訪れないように。痛みが君を襲わないように。

第七話   夏白雪の純白が視界と意識を総て包み込んでいく。

第八話
   寂寥とした空気が、夏白雪の庭に満ちた。

第九話
   君の大好きな――


――『夏白雪の咲く頃に』   

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執筆:中原まなみ サイト:夏空ノスタルジック
写真素材:NOION

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