第六章:Azrael spins death――死を紡ぐ天使


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 鼻を突く異臭がふいに和らいだことに、彼は顔を上げた。
 手のひらで繋がっている少女の顔を見下ろす。荒かった呼吸も、蒼褪めていた顔色も、幾分元に戻っている。
「……やった、か?」
 口中で小さく呟くと、彼は少女の手を離し立ち上がった。窓をあけ、外を見やる。西日がきつく、目を焼いた。
 細めながら、それでも滲み出る笑みを隠すことは出来なかった。霧が晴れている。
 腹腔に残っていた息を、全て吐き出す。エリスたちが、なんとかしてくれたということだろう。
 こうなれば、後は簡単な法技をかけるだけで、痛みや苦痛を和らげることはできる。彼は少女に歩みより、左手のひらを彼女に向けた。
 と、ふいに顔を横に向ける。
「何してんだ、ドゥール?」
 隣で眠っていたドゥールが、ふいに起きだしていた。
 身を起こし、立ち上がっていたドゥールに、彼は疑問符を投げる。
「大丈夫か、体? どこへ行く?」
「……ああ」
 前者の問いに、ドゥールは低く頷いた。ややあってから、後者の問いにも答えてくる。
「少し、用をたしてくる」
「ああ。了解」
 おぼつかない足取りで外へでていくドゥールに、彼は声をかけた。
「霧、晴れたな。お嬢ちゃんたちがやってくれたんだろうな」
「そう、だな」
 背中で答えたドゥールは、そのままゆっくりと戸外へ足を踏み出していった。


 ゲイルに支えられながら、元来た道をゆっくりと歩く。夕陽に照らし出された絵本の町は、この姿が本来のものなのだろう。
 霧も晴れ、外壁に描き出されたフレスコ画は、今にも動き出しそうな躍動感を伴ってそこにある。背中に西日を浴び、前に出来た自らの影を追うようにゆっくり歩く。
「エリスちゃん、大丈夫かい?」
「ん。だいぶまし」
 小さく頷いた。実際、まだ芯の方は重いが、動けないほどではない。
「エリスちゃんの能力……なんだろうね」
「知らない」
 反射的に、答える。弱く首をふり、続けた。
「判らない。知りたくない気もするし、でも気にならないわけじゃない。どうすればいいのか、判らないし」
「……そう、だね」
 曖昧に頷くゲイルの横顔を見やってから、ポケットに手を忍び込ませる。小さな石の感触が、指先に心地良い。
 石を持っていることで、能力は強まる。生前、彼はそう口にしていた。とすれば、その石を持っている現状は、かえられないだろう。
「でも、どうなったとしても、あたしは、あたしだから」
「……うん」
 ゲイルが頷く。その顔を見上げ、ほっと息を漏らした。
 と、隣を歩いていたミユナが、ふと足を止める。
「わり、先行っててくれ」
「え、どうしたの?」
「花摘みに行ってくる」
「ああ、わかった。いってらっしゃい」
 花摘み――ようするに、用をたしに行くということだ。
 ミユナの背を見送り、エリスはまた歩き出した。親友の姿を、早く目に入れたかった。
 後を付いて来る小さな少女が、一言も漏らさないのが気にはなったが、あえて何もいわず、ただ歩いた。


「この満身創痍赤小娘が」
「……」
 顔を見せたとたん浴びせられたその一言に、エリスは引きつった笑みを浮かべるしか出来なかった。
 腰に手を当てたジークが、苦虫を噛み潰したような顔で見下ろしてくる。
「とりあえずこの今の現状で確認できる怪我は、火傷と切り傷と擦り傷。傷口が開いてる。で? 後なんだ?」
「……ごめんなさい」
「謝る前にもう少してめぇの体をいたわってやれ。そうぽんぽこ、俺も法技をかけてやれるわけじゃねぇ。自覚しろ」
「……はい」
 頷くと、ジークはこちらの耳にそっと手をかけてきた。小さく呟きが聞こえ、痛みが和らぐ。
「応急処置だ。後は冷やしとけ。顔に傷は残すなよ。一応女なんだから」
 その言葉に、苦笑して頷きながら左目元をさする。
「エリス!」
 と、廊下の奥から声が聞こえてくる。ほぼ同時に、ややおぼつかない足取りで、アンジェラが駆けて来た。
 安堵に、知らず表情が緩む。アンジェラの体を柔らかく抱きしめた。甘いコロンの香りが、安らぎを与えてくれる。
「ただいま」
「おかえりなさい。どうだったの?」
 耳のすぐ傍で、アンジェラの声がする。僅かに鼻にかかった、甘く高い声音。それが、何よりも嬉しかった。
「何とかなったよ。ちょっとごちゃごちゃは、あったけどね。もう、体大丈夫なの?」
「ええ。霧も晴れたし、体も楽になったわ。ありがとう」
 再度きつく抱きしめてから、体を離した。
「ドゥールは?」
「んぁ? あいつなら、用をたしに行くってでていったぞ」
 答えたのはジークだった。その言葉に、ゲイルがほっと安堵の息を漏らす。
「あいつも、無事か。よかった」
「そっちは? ミユナはどうした? というか、何があった?」
「ミユナちゃんもお花を摘みに行ったよ。あとは」
 ゲイルが、僅かに言いよどむ。視線を交わしあう。どう切り出せばいいのか。
「アザレルに、会ったネ」
 続きを引き継いだのは、ずっと黙していた桜春だった。
「アザレル……?」
「なんだ……って……」
 アンジェラと、ジークの声がかぶさった。
 皆の視線を受け、桜春がゆっくりと顔を上げた。
 幼い両の目は、真っ直ぐに前を向いていた。
「桜春、皆に話したいこと、あるネ」


 民家のすぐ裏で、ドゥールは女と向かい合っていた。
「会ったのか」
「ええ。安心なさい。貴方のことは話してはいないわ」
 柔らかな笑みを浮かべながら、女は言葉を紡ぐ。女の背後には、フレスコ画で綴られる、物語の一部が見えた。まるで、その物語からでてきたといわんばかりに、女は柔らかな笑みを浮かべている。
 ドゥールは女――アザレルから僅かに視線をはずし、小さな声で呟いた。
「俺は、どうすればいい」
「黒竜の遺跡へ向かいなさい。ここから、そう遠くはありません」
 目を伏せたまま、頷く。アザレルは、笑みをきつくした。
「それから、黒竜の遺跡へ行くときは『全員』でいらっしゃい。誰一人として、かけてはいけませんよ」
「……俺と、ゲイルと」
「ミユナさん、ジーク、それから、エリスさんとアンジェラさん、ね。そこで、一度舞台を整えます」
 アザレルの言葉に、ドゥールは細めた目を上げた。
「そうすれば、殺さないんだな。ゲイルも、他の奴らも」
「約束は守りましょう」
 頷くアザレルに、ドゥールは喉を上下させた。
「……判った」
 その言葉を呟いたその時には、目の前に女の姿はなかった。外壁に描かれたフレスコ画が、夕暮れの色合いを帯びて佇んでいる。
「……」
 きつく、まぶたを閉じる。膝の震えを自覚し、ドゥールは自嘲気味に笑みを浮かべていた。
「ドゥール……?」
「っ……!?」
 ふいに聞こえた声に、さっと顔色を変え、彼は勢いよく振り返った。
 家と家の間の、路地。そこに、少女が立っていた。
 銀色の髪を、夕暮れ色に染めたまま、瞳は大きく見開かれている。
「……ミ、ユナ……」
 掠れた声が、ドゥールの喉から漏れた。
 呆然とした表情を浮かべたミユナは、一歩、二歩とふらつきながら歩み寄ってくる。
「……ドゥール、今の……」
「見ていた……のか」
「今の!」
 声を荒らげて、ミユナがドゥールの肩をきつく掴んできた。抵抗を示さなかったため、ドゥールは後頭部を家の壁へと打ちつけた。
 顔は、下を向いている。
「お前、今の……アザレル、だな。一体、どういう意味だ!」
「……見た通りだ」
「っ!」
 鈍い音とともに、ドゥールの体は再度壁に叩きつけられた。激昂した表情のまま、ミユナがドゥールの肩を揺さぶった。
「裏切るのか……? 裏切るつもりか!」
「誰が、誰を裏切ることになる」
 ミユナの悲鳴に、ドゥールは静かに言葉を漏らした。
 細められた黒瞳を、銀水晶のようなミユナの瞳にむけている。
「誰が、誰を裏切る。俺が裏切るのか。ゲイルか。ダリードか。裏切ったのは誰だ?」
「何を馬鹿なことを……」
「俺は初めから、仲間ではない!」
 叩きつけるようなドゥールの叫びに、ミユナの手が緩んだ。その隙を逃さず、振り払う。呆然と立ち尽くしたままのミユナの横を通り過ぎ、ドゥールは足を止めた。
「……家族を」
 呟きが漏れる。
「家族を守りたいという気持ちは、お前なら、判るだろう」
 背中同士で交わされる言葉に、ミユナは反応を示さなかった。
 ただ、立ち尽くしたまま、動かなかった。
「……俺は、どうなっても構わない。だから。……頼む」
 弱い囁き。
「今、見たことを、誰にも言わないでくれ。――頼む」
 低い言葉を残し、ドゥールは静かに歩きだした。
 背中でその様子を感じていたミユナは、ただ、まぶたを閉じた。強く握った拳が、かすかに震えていた。
 外壁に描かれた、物語の中の天使は、何も知らずにただ笑っていた。


 ドゥールが帰ってきて、暫くしてからミユナも帰ってきた。
「あ、おかえり。ミユナ」
「……ただい、ま」
 その声が、僅かに強張っていたのを感じ、エリスは首をかしげた。
「どうしたの?」
「――なんでもない」
 ミユナは首を振り、小さく笑みを浮かべた。
「アンジェラは?」
「元気になってるよ。ドゥールも」
「……そっか。よかったな」
「うん」
 エリスも笑みを浮かべて頷き返し、言葉を続けた。
「鈴ちゃんが、話したいことがあるっていうんだ。洞窟内で何があったかも、話さなきゃいけないし、皆集まってるの。きて?」


 事のあらましを大まかに説明すると、落ちたのは重い空気だった。
 窓の外は、そろそろ夜が訪れようとしている。
「ラボ、か」
 ミユナが、ぽつりと言葉をこぼした。
「……行くしか、ねえんだろうな。潰すしか」
「だろう、ね」
 重い沈黙が落ちる。
 ややあってから、桜春が口を開いた。
「それで。桜春、皆に話したいこと、あるネ」
「……うん」
 促すと、桜春は細い眉を寄せて、呟いた。
「あの。ネ。桜春、アザレル知ってるネ。……それは、気付いたとおもうけど」
 その言葉に、エリスは思わずゲイルと視線を交わしていた。
 静かに頷く。
「うん」
「それで、もうひとつ。カサドラのお姉ちゃんの言葉で、気付いたかもしれないけど」
 彼女は、たどたどしい様子で言うと、大きく息を吸った。
「――桜春、ルナ大陸の人間じゃないネ。そして、特殊能力者」
「ルナ大陸の人間じゃない……?」
 桜春の言葉を反復したドゥールに、少女はこくりと頷いてみせた。その小さな体が震えている。
「鈴ちゃん」
 エリスは囁き、桜春の手を取った。震えが、ゆっくりと取り除かれていく。桜春は、弱々しい笑みを浮かべて続けた。
「桜春、神族ネ。ユアファースからラボにつれてこられて。――ラボに、居たネ」
 水を打ったような沈黙が、広がる。
 ユアファース――プトネッドにおける四つの大陸のうちの、ひとつだ。
 そこから、彼女はラボにつれてこられたと、そういうのだ。
「……ラボに。お前が、か」
「そうネ」
 ジークの呻き声に、大人びた様子で桜春は答えた。
 すっとジークのワインレッドの瞳を見据え、言葉を紡ぐ。
「ユアファースから、来たネ。君なら……判るネ?」
「……ああ」
 皮肉げに、ジークが唇を歪ませる。
 桜春は苦笑を漏らすと、こちらに向き直った。
「ゲイルお兄ちゃんたち、気づいていないみたいネ。ラボの集めているのは基本的にはルナだけの特殊能力者ネ。だけど例外もある」
 どこか淡々とした口調は、少女を年齢よりもずっと上に見せた。それは彼女自身の性格なのか、それとも、置かれてきた環境のせいなのかは判らなかったが。
「桜春はあそこから逃げ出せたネ。でも、桜春がいたときには二人いたネ。他大陸の特殊能力者。魔族と……オールノウズ、ネ」
 ついこの間、ミユナに教わった問題が頭の中で踊り始める。
 プトネッドにおける四つの大陸。ユアファース大陸。ラフィス大陸。パンドラ大陸。そして、ルナ大陸。
 それぞれの大陸を治めし神々に呼応した使者が――それぞれ、神族であり、オールノウズであり、魔族であり、エリスやドゥールのような月の者だ。
「貴女が、神族ですって?」
「そうネ」
 アンジェラの言葉に、桜春が頷く。アンジェラが、皮肉な笑みを浮かべた。
「この大陸からは誰も出る事ができないし、他大陸から来る事も出来ない。女神が、大陸に結界をはっているから。封鎖世界、魔導大陸ルナ――その話ぐらい、きいたことあるでしょ?」
「一般的には、そう言われてるネ。確かに。でも、真実はそうじゃない」
 ルナ大陸は、他大陸との交流を閉ざされた封鎖世界だ。少なくとも、そう言われており、実際ルナ大陸海域の最果てには結界がある。船でその前まで行くと、渦に巻き込まれ、それ以上外には出られない。結界がある。
 だが、桜春はその言葉を、一般的に言われていたその話を否定した。
「結界には、ほころびがある。貴女たちは、今まさに、それを目にしてるネ。真実を」
 紫煙が上がった。ジークが、きつく眉根を寄せながら煙草を吸っている。
「ジークさん」
 桜春の呼びかけに、彼は細くまぶたを上げた。
「なんだ」
 硬い声音に、桜春はゆっくりと首を左右に振った。
「なんでも、ないネ」
 言葉を吐いた後、桜春は一人一人と視線を合わせてきた。それから、躊躇いがちに服の胸元に手をかけ、少しだけ服をずらした。
 ――羽を広げた蝶が、居た。
 左胸元に、蝶型の痣がある。――月の者が、色素以上と月の石だとすれば、その痣は、神族特有のもののはずだ。
「桜春の言うこと、信じる、信じないは貴女たちが決めることネ。ただ、桜春は、嘘は言ってない。それは覚えておいて」
 その言葉に、エリスは深く息をついた。
 言葉を脳内でゆっくりと思い返し、目を開ける。
「――信じる、よ」
「エリスさん……」
「判らない。何が真実かは。でも、この大陸がおかしくなっているのは、実際事実だからね。その一端として、結界がほころび始めているのだとすれば、ありえなくはないのかもしれない」
 桜春が、僅かに表情を緩めた。
 エリスも小さな微笑を返し、言葉を続けた。
「ラボに、いたんだね。大変、だったね」
「うん……ありがとう」
「それで、鈴ちゃんはどうするの?」
 問いかけに、桜春は言葉を切った。しばらく迷うような表情を見せて、首を振った。艶やかな黒髪が揺れる。
「エリスさんたちは、ラボへ行くの?」
「……うん」
「だったら……ごめんなさい。桜春も一緒に行けたらいいネ。でも……ごめんなさい。行きたくないネ」
 弱々しく、彼女は首を振ったまま告げた。
「怖い……ネ。もう、あそこには、行きたくないネ。すごく、怖い……ネ」
 震え始めた桜春の体を、ゲイルが柔らかく抱きしめた。
「いいよ。気持ちは、よく判るから」
「ごめんなさい」
 桜春の頬を、幾滴か涙が滑っていく。それを見て、エリスはきつく眉根がよるのを自覚した。
 幼い少女が、これほどまでに恐怖を怯えている。――その、事実に。
 小さな嗚咽が広がる。と、ふいにドゥールが口を開いた。
「謝る必要は、ないだろう。あんな場所へ近づかないですむのなら、それにこしたことはない」
「ドゥール……?」
 ミユナが、強張った表情でその名を呼んだ。だが、ドゥールは彼女には答えず、桜春を見下ろしたまま、続ける。
「お前はまだ小さいからな。あんな所に関わらずにすむならその方がいいんだ」
 ただ淡白に、ドゥールは告げた。
「その方がいい」
「……」
 桜春が、大きく息を吐いた。
「ありが、とう……」
 アンジェラが、その様子を見てふいに囁いてきた。
「ドゥールって、案外優しいのね」
「だね」
 エリスは、小さく笑って頷いた。
 ようやっと、無垢な笑顔をみせた桜春に声をかける。
「それじゃ、ここでお別れだね、鈴ちゃん。ありがとう」
「ううん、こっちこそ。今日は休んでいってネ」
「お言葉に甘えさせていただきます。――で、次は……フマーネン、だっけ?」
 赤竜カサドラに、次の竜の居場所をきいたのだ。ここから近いのは、海を渡ってすぐのフマーネン連合国にいる、黒竜だという。
「船、いるネ。桜春、パパに船のチケット、頼んでみる!」
「え、でも」
 ゲイルが戸惑った声をあげたが、桜春は笑顔でそれを遮った。
「みんな、この町の恩人ネ。だから、せめてこれくらいはさせて欲しいネ。桜春、少しでいいから、みんなのお手伝いしたい」
 桜春の真剣な言葉に、アンジェラが笑って頷いた。


 翌朝、空はよく晴れていた。
 フマーネンは、ルナ大陸内の島国だ。そのフマーネン行きの旅客船がつく港の前で、エリスたちは桜春と別れを告げることになった。
 幼いその少女は、朝の光を瞳に反射させている。
 港の騒がしいざわめきの中で、彼女は揺るがない言葉を口にした。
「――赤竜、言ってたネ。全ての力の源は人の思いって。だから桜春、ここからずっと祈ってるネ。みんなが、勝てるように」
 その言葉に、ミユナが眩しそうに目を細める。
 ジークは、桜春の頭を乱暴に撫でた。
「いい子だ。――達者でな」
 風が、髪を揺らした。潮の匂いが、鼻をくすぐる。
「ばいばい、またネ!」
 歩き出したエリスたちの背中に、そんな声が投げられる。
 振り返り、エリスは大きく手を振った。
 見え始めた真実に、怯えて足踏みをしている場合ではなかった。
 煌く朝の海を睨み据え、大きく息を吸った。
 桜春に背を向け、船へ続く道を歩き出す。すでに先に行ってしまったアンジェラの代わりに、すぐ傍に居たミユナの腕を軽く叩いた。
「行こう、ミユナ。次は、黒竜だね」
「――そう、だな」
 ミユナの銀青色の瞳が、海の色を受けてきらりと反射した。


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