* あとがき代わりに20の質問*

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まなみ:作者の中原まなみ
かぐや:絵師のかぐや

まなみ:『紅月は女神の祈り』終了記念
作者&絵師のあとがき対談〜!(はくしゅっ。)
かぐや:はぱちぱちぱち〜
まなみ:とゆーわけでっ! まずは自己紹介。
紅月は女神の祈り、作者の中原まなみです。
かぐや:紅月は女神の祈り・絵師のかぐやです。
まなみ:んじゃあ、さくさくっとすすめていきましょーかっ。
あとがき代わりに20の質問にそって対談形式で行きたいと思います。まぁ、こういうお遊びも大事よね?(笑)
かぐや:そうだねー(笑
まなみ:質問はこちらからお借りしています。
まなみ:では、いきましょー。

1   この小説を書き終えた、今現在の心境を一言で簡潔に言い表してください。

かぐや:感無量
まなみ:ぉおおおおおぉおおわああああったああああああああ!
まなみ:だった(笑)
かぐや:まなみらしいねぇ(笑
まなみ:素直ですから(笑)
かぐや:確かに、長かったもんね。
まなみ:いやもう、まじで。書き上げた瞬間はそれしかなかったよ(笑) しばらくしても頭の中は「うわーっ、うわーっ、うわーっ」しか浮かばなかった。(笑)
まなみ:うん。足掛け八年。エリスと付き合って。
かぐや:そうか、足掛け8年にもなるんだ。私なんか足掛け2年?(笑
まなみ:三年目になるか否か、じゃない? 緑の惑星(注1)のころだから(笑)
かぐや:あ、そっか。そういえばまなみが緑の惑星を離れてもうすぐ3年になるんだっけ(笑
まなみ:そうそう。ブレイク・ルームやら社員カフェで打ち合わせしてた頃が懐かしいな(笑)
かぐや:ほんとだねー。無意味に待たせたりしてたよなー(笑
まなみ:14:15上がりなのに、18:15上がりのあんたをまったりとかな(笑)
かぐや:そうそう。そのあと確実におごらされた(笑
まなみ:温泉卵だけだったやんか!(笑)
かぐや:え?そうだっけ(笑
まなみ:そーゆーことにしといて(笑)
まぁ、それはともかく(笑)
あんたもそれだけ長いし、あたしにしたらエリスは中二のときから一緒にいた親友だからね。やっぱり彼女を書き上げたってときにでてくる言葉は、「うわーっ」で終わっちゃうよ(笑)
かぐや:なるほどねー。
私は終わったって聞いたときすごいなぁ、本当におわちゃったな、と思ったけど私の仕事はまだ終わってないからねぇ(笑
まなみ:ふぁいとだ、ラストスパート(笑)

2   この小説を書く上で、一番書きやすかったところはどこですか?

まなみ:……書きやすかったところ、というか。全体的にみて書きやすかったのは、やっぱりエリス。
かぐや:私はアンジェラかなぁ。
まなみ:いや、主人公書きにくかったらシャレにならんが。(笑)
かぐや:まあ、そうだけどね(笑
まなみ:アンジェラも、書きやすかったよ。なんだろ、エリスアンジェラはセットですっごい書きやすかった。彼女たちの思想も考えも、すっごく判りやすいし、理解しやすかったからかな。
まなみ:アンジェラのイラストは、いつもノリノリだったよねー、かぐやは。エリスより(笑)
かぐや:そうだね。お遊びイラストは決まってアンジェラが多かった(笑。
何故か最初の縦型バナーもアンジェラだったもんね。
まなみ:そうそう。まぁ、あれは告知イラストがエリスだったこともあるんだろうけどね。
あの絵とあの煽り文句(注2)で、初期読者は流れてきた気がする(笑)
かぐや:煽り文句はいつもまなみが考えてたけどいつもよく考えつくなーと感心してた(笑。最初だからアンジェラも狙って描いてたしね
まなみ:あれはあたしが考えてるんじゃなくて、基本的にキャラの言葉を聞いてるってかんじ。アンジェラにかんしてはまさにそうだったな。だからこそ「書きやすい」っていえるんだとおもう。
まなみ:筆がのったのも、大抵はエリアン(略すなよ)のかけあいとか、エリスのアンジェラに対する想いとか、その逆とかのシーンだったから。
かぐや:そのへんは私も結構楽しんで横でエリスとアンジェラを描いてたなー(笑
まなみ:あと、エリスがなんか痛々しいシーンは筆がのりました。ごめんエリス(笑)
かぐや:はははは(笑。それもまたアリ
まなみ:三章、五章のダリードがからむところとか。七章のアンジェラのかかわるところとか。ラストあたりとか、ね。
書きやすかったところはどこですか、って言う質問とは逸しちゃう答えだけど。やっぱり「エリスが書きやすかった」に収縮されると思うよ。

3   この小説を書く上で、一番苦労したところはどこですか?

まなみ:――えーと。あのですね。序章3あたりを書き始めたときだったかな。気付いたんです。
まなみ:「しまったあああ! あたし戦闘シーン、書かれへんやんっ!?」 ……って。(死)
かぐや:おぉい!(笑
まなみ:いやもう、気付いたときは本気で焦ったね!(笑)
まなみ:もともとこれ、フリーRPGとして企画が上がってたもののシナリオを小説に焼きなおしたものなんだよね。
そのときのタイトルは「TheRoseMoon〜女神の祈り〜」
かぐや:そのときは戦闘シーンくらいないと話が進まなかったもんね
まなみ:で。RPGなわけですから? そりゃもー、とーぜんのよーに、戦闘ばっかあるわけで? 「っぎゃーっ!? つーか、四竜?! 四竜!?」 とか悲鳴上げたわい。連載はじめる前に気づけよ、あたし。シナリオかきあげてたんだから。。(笑)
かぐや:確かに(笑
まなみ:戦闘シーン、で、勝利して初めてシナリオは進みます。それがRPGというものです。(笑)
かぐや:でも、書く前に気づいても書いてたんでしょ?(笑
まなみ:おそらくね(笑) やっぱりエリスをどうしても、形にしてあげたかったから。
まなみ:でも、総じて、やっぱり戦闘シーン苦手だった〜(笑)
最初の頃は半泣きだったよ。できるだけできるだけ書かないようにしてたもん(笑)
かぐや:コラコラコラ(笑。
その点私は楽だったな〜 戦闘シーンの挿絵とか描くことがなかったし。ただし、その頃はカレンダーに終われてて半分泣きながら描いていたときもあったっけ(笑
まなみ:それが、VS白竜戦だったかな? そのあたりでふっきれて、楽しくなった。最後のほうは、戦闘シーンかいてて楽しかったし、簡易感想で「戦闘シーンが好き」なんてありがたいのまでもらっちゃったもんね。なせばなる(笑)
かぐや:おお〜すごいじゃん
まなみ:作者、絵師ともども、半泣きになりながら仕上げた作品でした。と。(笑)
かぐや:そうですね(笑
まなみ:あとは――ドゥール。ドゥール。とりあえずドゥールが苦労しました。
かぐや:ドゥールねぇ。うん、苦労してたね
まなみ:あそこまで作者に反発するキャラになるとはおもわなんで……。
まなみ:まぁ、彼が一番、苦労したかな。全体通してみると。
でもそれがきっと、彼が彼なりに精一杯生きた証だと思うから。
かぐや:そうだね。ドゥールが考えて考えて考えた結果があれだったんだから本人は納得しているんじゃないかなぁ。

4   ボツにしたタイトル、仮タイトル、執筆中のコードネームなどありましたら教えてください。

まなみ:いっぱいあるね。これ(笑)
かぐや:あるね(笑
まなみ:まず、紅月の経緯を話さねば……。
まなみ:いっちばんさいしょに「エリス・マグナータ」が生まれたのは、大阪のとある市立中学の、コンピュータールームで。部活の時間に。
まなみ:当時中学二年生だった中原さんが生み出したのでした。「自分の分身」としてね。それがエリス。
今とは大きくストーリーとか設定とか、違うけどね。紅月の根源は、この作品にある。
そのときのタイトルが「アバンチュール」
かぐや:何故そのタイトル……?(笑
まなみ:国語辞書から。アバンチュールって「恋の冒険」って意味が表立っちゃってるけど、本来ただの「冒険」って意味も持ち合わせてるのね。あたしはそっちの意味で使ってた。
かぐや:へぇー。王道な単語じゃなかったんだね
まなみ:「アドベンチャー」よりは、こっちのほーがいいなー、ってかんじだった。当時はカタカナタイトルに憧れてたし(笑)
かぐや:納得(笑
まなみ:で、それが、まぁ。色々変化して。「紅の月夜」とか「紅 月夜に召された子供たち」とか。サブタイトル? が次々と変わってはいた。
まなみ:このあたりで原型が見え始めてるねー。しばらくはまぁ、「紅の月夜」でつづいてたのかな。それがかわったのが、さっきいってたRPG企画のとき。
まなみ:「TheRoseMoon〜女神の祈り〜」ってタイトルになった。
かぐや:「紅」「月」を漢字にしたんだね
かぐや:漢字から英語に変えたんだね
まなみ:そんなかんじ。ローズ・ムーンって響きも好きだったからね。このタイトルのシナリオのとき、紅月の本当の輪郭が見え始めたって感じだね。
まなみ:で、かぐやが絵師としてかかわり始めたのもこの頃で、だから、ずーっとあたしらの間ではこのタイトルだったんだよね。
かぐや:そうだねー。「ローズムーン」とか「RML」って呼んでたもんね
まなみ:そのコードネームが「RM-L」 長いから略してただけだけど。RMがRoseMoon Lは女神の祈り、の女神=ルナ=Lunarからきてた。
まなみ:コードネームはだから、RM-Lがほとんどだったね。
小説にするとき、またタイトルを少し弄って。最終決定が今のタイトル。「紅月<ローズ・ムーン>は女神の祈り」
まなみ:そっからはだいたい「紅月」ってよんでたな。
かぐや:そうだねー

5   タイトルの由来(意味)は何ですか?

まなみ:あんたわかる?(笑)
かぐや:ルナの願いが隠されてるから?
まなみ:ぴんぽーん。最終章最終話、エリスの台詞がタイトルの謎解き。
かぐや:というか、これってまなみの家で打ち合わせしたときに私にいってたと思う(笑
まなみ:つか、先に渡してあるシナリオでも、企画書にもかいてるわい!(笑)
かぐや:ああ、そうだったっけ(笑。きちんと目を通しているつもりで通してないからなー、私
まなみ:紅月絵師かぐやは、こーゆー奴です。 アバウト。でもあたしも、撒けず劣らずアバウト。ジークの瞳の色とか、かぐやに決めさせたしな(笑)
かぐや:そういえばそうだったねー。ないよ?っていったらじゃあ決めて、って言われた(笑
まなみ:でもあれは、すっげーはまったとおもったよ。本来は暗い青だったんだけどね。ワインレッドは作中でもさし色になったし。ありがたかった。
ま、アバウト×アバウトで、ちょうどいい関係なんだろうな。(笑)
かぐや:そうだろうねー(笑

6   この小説を書き始めるきっかけはなんでしたか?

まなみ:――キャラチャ。(爆)
かぐや:え?!そうなんΣΣ(゚д゚lll)
まなみ:A&C(注3)のね。(笑)
かぐや:そりゃそうだろうけど(笑
まなみ:いや、エリスというキャラはずーっとあたためてきてた子ではあったんだけど。書かないでいたのよ。いろいろ諸事情があったし、書けば長くなるの判ってたから。
まなみ:ただ、あそこのキャラチャでエリスを使ってみたら、めちゃめちゃ使いやすくてねぇ。で、キャラチャしてるうちに、本当に形にしてあげたくなって。さらには「エリスちゃんのお話が読みたい!」って仰ってくださる方もでてきて(笑)
かぐや:で、気分が流されて書く気になっちゃったと?
まなみ:そ。ちょうどその頃、HP復活したてで、何か始めたいところだったしね。タイミングもあっちゃって。気付いたら連載開始してましたとさ(笑)
かぐや:何気なく寄ってみたら連載が始まってて焦りましたが?(笑
まなみ:過ぎたことは水に流せ。(爽)

7   この小説を書く上で、何か影響を受けたもの(他の作品や、他媒体の創作物など)はありますか?

まなみ:で。影響を受けたもの……
……今まで読んできた小説(ライトノベル)全て、今までやって来たファンタジーRPG全て。かな。
まなみ:基本的に、紅月の作り方自体がちょっとかわってるからね。「王道を、王道として突き進んで書く。」王道をあくまで書きたかったから。王道をどこまで美味しく料理できるかを書きたかったから。だから、要素的にはすっご―くありきたりなものばかりなのよ。
かぐや:でも、ありきたりに見せないところもあったけどね
まなみ:ヒーローがいて、ヒロインがいて。宿命を背負った主人公が、幼なじみと街をでて。ヒロインはさらわれて、ヒーローはそれを助けに行って。結果偶然世界を救う、みたいな。
まなみ:そーかー?
かぐや:ダリード死んだりとか
かぐや:ドゥール死んだりとか
まなみ:んー、でもあのへんも、王道パターンではある、とおもうよ? 突飛な展開、目新しい展開って言うほどではない。
まなみ:イヴ消滅とかな……(笑……えません。。)
かぐや:確かに笑えない部分も多いけやっぱり「まなみ」の感じが出てたんじゃないかなぁと
まなみ:まぁ、細かい部分はやっぱりとげとして、というかエッセンスとして王道らしくないものもはいってるかもしれないけど。それはやっぱり、あんたのいうとおり「あたし」の部分なんだろうね。
まなみ:だから、影響を受けたもの――は、中原まなみという個人が今まで出会ってきた作品全て、人生全て、としかいいようがない。
その中でも特に、を書き出すならとあるふたつのRPGとスレイヤーズかな。とおもうけどね。
まなみ:あんたの絵は?
かぐや:女神転生シリーズの挿絵を描いている金子一馬さんかなぁ
まなみ:ごめん、わかんにゃい……。(笑)
かぐや:なんだろう?服とかがものすごく困ってどうしよう、どうしようと思ったときにいろいろな伝承にある人物や幽霊なんかを悪魔として描いていたのがものすごく紅月に共通するものがあった気がしてね
まなみ:あー、なるほどね。
まなみ:一応紅月は「伝承の物語り」でもあるもんね。
かぐや:そうだねー。そのせいもあるんだと思う。キャラクターは原案があったからさほど苦労はしなかった
まなみ:なるほど。

8   これがあったから、この話がかけました!(これがなかったら、かけませんでした!)というものはありますか。

まなみ:えーとまず、さっきも言ったとおり、キャラチャ。きっかけはこれだったし、行き詰まったときはエリス放り込んで彼女に助けてもらっていたし(笑)
それから、やっぱり――ありきたりっちゃありきたりな答えだけど、読者様の感想。ひとこと感想とか、全部含めて。
かぐや:だから、危ないときにエリスがキャラチャにいたのか(苦笑
まなみ:本編がきつきつのときに、リラックスしたエリスを入れると和むのです(笑)
まなみ:めちゃめちゃ嬉しい感想とか、いっぱい頂いたもんね。思わずあたしが泣きそうなくらい。ほんと、メーラーひらいて感想きてると、おどってた。まじで。
まなみ:簡易感想みるたびに、未だにドキドキするしさ。なんかそういうのもらうと、やっぱり嬉しくなるよ。かくのも。
おもしろい、のひとことが、毎週毎週ほんっとはげみになった。
かぐや:やっぱり、感想はもらうとうれしいもんね。
私も個人的に送ってきてくれたメールを見たときはうれしくて、それ以上に励みになったよ。描いててよかった、って思えたし。
まなみ:だよねー。
まなみ:あと。忘れちゃいけないのがやっぱり、かぐやの絵。かぐやの絵があったからこそ、紅月は映像となってあたしの中で大きく根付いたからね。すごいおおきかったよ。やっぱり。
かぐや:いやいや、私はまなみの声がなかったらここにいることはなかったんだな、と思うと感謝の気持ちでいっぱいになるよ
まなみ:お互い、イイカンジにエリスというキャラを、紅月と言う作品を通じて干渉しあえたんだなーって感じだよな。そう思うと。
かぐや:そうだねー。紅月がなかったら私はまなみと仲良くなってなかったかもしれないしね。
まなみ:性格にすぎてて、一歩間違うと同族嫌悪になりかねない二人だからな(笑)

9   ボツにしたストーリー展開を教えてください。

まなみ:……ドゥール?
かぐや:だろうね。彼くらいでしょ、大幅に変更したのは
まなみ:そだね。それ以外は特にボツにした展開はない。ちっちゃいエピソード単位でなら、いくつもボツにしたものはあるけど、まぁそれは作品としてかきあげるものなら当然のことだし。
まなみ:大きくボツにしたストーリー展開としては、いっこだけだな。
あのラスト・シーンで、ドゥールも一緒に笑っているストーリー展開もあったんだよ、とだけ。
かぐや:シナリオではそうだったけどやっぱり別物だしね。

10   プロット(思惑)どおりに進みましたか?

まなみ:………………だから。ドゥール・バレイシス…………
かぐや:進んでないねー(苦笑
まなみ:彼以外は、基本的に(若干の違いはやっぱり行きてるからけど)プロットどおりでした。
まなみ:最後の最後まで、作者と駆け引きやりとりやって、結局あたしがドゥールにおしとおされた、ってかんじだしね。。
かぐや:ドゥールの背中を押したのは私だけど(コラ
まなみ:いや、押されなくても、やっぱり彼はその道を選んでたと思うよ。彼なりに生きた、その道だから。
まなみ:絵に関してでもやっぱりあるの? 「ぬあー、思惑通りいかねーっ」ってのは。
かぐや:血色の口付けがうまくいかなかったな。
まなみ:そーオ? あれはおれてきにかなりヒットだったけどね。
かぐや:あと、ルナのキャラデザね
まなみ:描き直しさせたもんね(笑)
かぐや:血色の口付けは水面に映っているようにしたかったんだけど小さくなるからやめちゃった。それでも3回は書き直したかな?
かぐや:ルナは書き直しが出て元を崩さないように、かつまなみが納得のいくように書き直した(笑
まなみ:ルナは実際、すごく難しいキャラだと思う。妖艶であり、妖しくもあり、やはり神々しくもあり、そして禍々しくさえもある。
けれど――最後まで読んでくれた人は判ると思うんだけど、すっごく人間くさいキャラだからね。
まなみ:へぇぇ。。おつかれさまでした。。
でもあの挿絵は、すごく効力でかかったよー<血色の口付け
かぐや:力を入れて描いたからいろんなところに使ってくれてうれしかったんだよなー
まなみ:イラストを使って加工するのは、色々楽しかったです。(笑

11   これが書きたくてこの話を書きました、という部分はどういうものですか?

まなみ:……エリス! とりあえずエリス! エリス・マグナータ!
かぐや:やっぱりそうなんだね(笑
まなみ:それ以外にないよ(笑) あと王道ね。「王道ってええじゃねえか!」ね。
まなみ:でもやっぱり、何はなくともエリスだな。エリスを書きたかった。形にしてあげたかった。ほんと、突き詰めればそれだけの話。
かぐや:私の場合はこの話を読んで描きたくなったものはありますか?になるからなぁ
まなみ:そだね
かぐや:しいて言えばラストで6人が笑っている姿で旅立っていくのが描きたかった
まなみ:……………(涙
かぐや:そう、無理なんだよね
まなみ:でも彼はたぶん、そばに、いるよ……うん……
かぐや:ダリードやイヴと一緒に3人で5人を見守っていそうだよね
まなみ:きっとね。

12   一番こだわったところはどこですか?

まなみ:――エリス?(笑)
かぐや:エリスなんだ(笑
まなみ:いや、だってさあ!(笑)
とりあえず……彼女は「ごくごく普通の女の子」としてかきたかった。それが第一だったから。
かぐや:ああ、なるほどね。
私もエリスかな。できるだけ普通の子に、と思って描いてたし
まなみ:あとは……それぞれのキャラの、感情かな。やっぱり。矛盾してたりもするし、弱かったりもするし、かと思えばあきれるくらい強かったりもして、そういうアンバランスさを大切にしたかった。人間らしさをね。それは、女神に関しても同じだったから。
まなみ:画一的ではなくて、当たり前の人間として、弱さも汚さも、そんでやっぱり綺麗なところも、書きたかったな。ってかんじ。
まなみ:あ、あと。あれだ。現実の容赦のなさ。
かぐや:ああ、なるほど
まなみ:うん。でもやっぱり、現実でも優しさは含んでいるよ。っていう。ようするに全てにおいての二面性、なのかな。愛してるからこそ憎い。不安だからこそ強くなれる。容赦がないけど、とても優しい。
かぐや:王道の中にある、まなみらしさっていうのがでてるところかな。
まなみ:ドゥールの死のときに、読者の中でもやっぱり思ったひといると思うのよ。
ジークの「愛してる」のひとことがなければ。
桜春が傍にいれば。
――って。でもそれは、叶わなかった。それは容赦のない現実の側面。たぶんジークを責めることは出来ないし、桜春も責められない。桜春が一緒にくることを拒んだのは、実はドゥール自身でもあった。そういう現実の容赦のなさ、皮肉さがあって。
まなみ:でも、最終的にエリスを守ったのはダリードやドゥールや――人の想いでもあって。それは現実の優しさだよね。
かぐや:そうだね
まなみ:なんか、そういうのがかきたかったのかなーって、おもう。
まなみ:絵でこだわったところは?
かぐや:キャラクターかな。
まなみ:ふむ。
まなみ:それは性格含めて、ってこと?
かぐや:それもあるけど書き分けかな。
まなみ:ああ、それぞれのキャラの書き分けか。目だけでキャラがわかるようにしてたんだっけ?
かぐや:そう。もともと登場人物の人数がそんなに多くないからキャラの1部だけを見たら誰だかわかるように描きたかった。
まなみ:なるほどー。それは絵師の拘りだなぁ。
かぐや:しない人もいるけど頼んでくれたからこそやりたかった拘りだね
まなみ:なるほどねぇ。

13   一番好きなキャラクターと、一番嫌いなキャラクターを、理由つきで教えてください。

まなみ:じゃ、あんたからどーぞ。
かぐや:好きなキャラはロジスタ。描いてて面白いから。
嫌いなキャラはアザレル。怪しい微笑が難しいから
まなみ:ロジスタ!? また微妙なところを!(笑)
かぐや:だって面白いじゃない。遊べるし(コラ
まなみ:弄りやすいキャラだけどね(笑)
かぐや:だね(笑
まなみ:あたしは、やっぱ一番好きなのはエリスかなー。
かぐや:自分の分身だもんね
まなみ:いや、なんだろ。そーいわれるとすげーやなんだが(笑)
かぐや:あら(苦笑
まなみ:でもやっぱり、それはどっかにあるのかな。ともかく八年いっしょに歩いてきたキャラだから。やっぱり、彼女かなぁ。
まなみ:嫌いなキャラは――んー……特にいない。キャラは嫌いにはなれないな。読者に嫌われるように書きはしても。
まなみ:苦手だったのは、ゲイルだけど。考えはわかるんだけど、感情として、作者すら置いてきぼりになることが多々あったから。(笑)
かぐや:ゲイルかー。書き難そうなキャラじゃないように見えるんだけどね。最初書きなれるまで私も苦労したけど(苦笑
まなみ:エリスもルナもそうだったんだけど、自分の中に二つ以上の意識を持ってたのよね。エリスなら、月の者としてのエリスを、マグナータけの長女としてのエリスを、そしてアンジェラの親友としてのエリスを。ルナは、ルナとして、あるいはセレネとして、と二つ。
まなみ:ゲイルは「ラボの仕事をするゲイル」と「ただのゲイル」とのあいだが、エリスやルナたちに比べてすっげーはっきりわかれてたから、かきにくかった。
かぐや:キャラの二面性?っていうのかな。それに苦労したんだ
まなみ:そんなかんじだね。

14   実際にいたら嬉しいキャラクターと、実際にいたら厭なキャラクターを教えてください。

まなみ:これも、あんたからどーぞ。
かぐや:うれしいキャラはジーク。話してて飽きなさそう。
いやなキャラは特にいないなぁ。みんな結構面白そうな性格してるし。
まなみ:うれしいのは同じくジークかな。頼れるお兄さんってかんじ。作中、後半じゃほとんどエリスたちの保護者とかしてたが(笑)
嫌なキャラは――アザレル(笑)
かぐや:おや、またなんでアザレル?
まなみ:ルナはまだ、いいんだけどね。アザレルは、人間が作り出した一番の被害者でもあるわけなんだけど。
そーゆーの全く抜きにして、ただ素直に、あんなのいたら怖いわい(笑)
かぐや:ははははは(笑。それは確かに。
まなみ:あと、すっげーー微妙なキャラで、スージー。ゲイル達の妹なんだけど、あの子はいたら嫌だなーっというか、たぶん性格あわないと思った。書いてて。(笑)
かぐや:書いてて思ったんだ。なら多分あわないと思うよ(笑
まなみ:悪い子じゃないのかもしれないが、苦手だった。理由はあたしもよく判らん(笑)

15   この人にはこの言葉を言わせたかった!という台詞をキャラ別にどうぞ(実際に言わせていなくてもOK)

まなみ:えーと、じゃ、かぐやから。好きな台詞抜粋でも可。
かぐや:好きは台詞は「あたしの親友いじめたら、殺すわよ」かな
まなみ:アンジェラー(笑)
かぐや:いってほしかった台詞ってのもあって、
まなみ:うん?
かぐや:ダリードが死ぬときにエリスに向かって「俺な、お前のこと……」って言ってほしかった。
かぐや:そこまでいって死ぬんだけど
まなみ:くおおおおおおおっ。(笑)
まなみ:それ、エリス立ち直れないと思う……。(笑)
かぐや:そうかなぁ? そんなエリスを見て立ち直らせようとするゲイル、ってのもいい絵になったと思うんだけどなー
まなみ:つーか、あたしがかけない。恥ずかしくて(笑)
かぐや:なんだよー、書いてくれりゃよかったのにー(笑
まなみ:勘弁してください(笑)
かぐや:まなみは言わせたかった台詞とかないの?
まなみ:うーん。
エリス 「あたしたちは二人じゃなきゃ駄目なんだ。だからあたしは死ねない。アンジェラも死なせない。二人で、生きるんだ」
まなみ:この辺と、あといっちばんさいご。「セイドゥールに、帰ろっか。アンジェラ!」
まなみ:この二つを、エリスに言わせたかったかな。
かぐや:決め台詞てきなものだよね。
まなみ:だね。あと、アンジェラに関しては「ずっと、一緒ね。約束よ、エリス」
まなみ:アンジェラって、表向きはさっきかぐやがあげたような台詞が目立ってたし、そう言う正確だったけど、内面はやっぱり弱さもあって。その強さと弱さがない交ぜになった台詞だなぁ、って思うから。この台詞は言わせたかった。
まなみ:あとは――各々、特にこれといって決めてたのは少ない。キャラがかってに台詞を吐いたのがほとんどだったな。
まなみ:そう言う台詞のほうが、実は気に入る率も高かったしね(笑)
かぐや:台詞から感情が出てるから、気に入るのかもね
まなみ:生きてる匂いがするんだろうね

16   この小説の登場人物たちを使って、別の話を書く予定はありますか?

かぐや:ありますか?
まなみ:……………。ありません。になるのかな、いちおう。(笑)
かぐや:続編希望、多いけどね(笑
まなみ:ぜったいやだ。(ぉい)
かぐや:本人書く気がないなら書かなくていいんじゃない?
まなみ:まぁね。(笑)
まなみ:ちなみに、補足。
まなみ:「ふぁんたじ〜ぽけっと」で、現在(2004年12月現在)連載中の作品には、けっこうぽこぽこ紅月キャラ、でてます。
かぐや:でてるね。
まなみ:とゆーのも、ふぁんぽけ内の作品、かなりの確率で「プトネッド世界」だからなわけですが。
まなみ:まず、ドリプロ。紅月の約81年後のルナ大陸舞台です。エリスの名前なんかも、たまにでてます。赤竜のカサドラちゃんも出るはず。ラボの名前もぽろぽろでてたりする。
かぐや:読んでない人は読みましょう。かぐやも読みます
まなみ:で、ドリプロMD。ドリプロの数年前のプレ編みたいなかんじだけど。これにはレギュラーキャラで蒼竜ファイディがでてる(笑)
かぐや:レギュラーだったんだ(笑
まなみ:いや、よまんでいい。全く別物だから! 雰囲気全然違うから!!(笑)
まなみ:メインにちかいね。(笑<ファイ爺
かぐや:そうなんだ。読んでみようかなぁ
まなみ:あとは、短編でこそこそと。けっこうさがせばいるにはいる。だから、完全に続編を書かない、っていいきっていいものかどうか。
まなみ:ただし、エリスたちはたぶんもう書かないな。掌編とか思いつきで更新することはあっても、エリス・マグナータをかくことはもうないと思う。
かぐや:あんまり続けて書くのもどうかと思う人もいるだろうしね
まなみ:……書くとしても、リズかな。(笑)
かぐや:そっちか(笑
まなみ:まぁ、その辺は、スルーでおねがいしまーす!(笑)

17   この小説の中でこの部分が一番会心の出来なのです! というシーン(か台詞)を抜粋してください。

まなみ:……。こまるな、これ。
かぐや:まなみさんどうぞ。
まなみ:うーーーーーー。。。。
まなみ:
「アンジェラを、返して」
 女神の目が細まる。どこか嘲笑にも似た、それでいて激情も隠せないでいるような、そんな表情で見下ろしてくる。
『己がどうなっても良いと決断したか』
 その言葉に、エリスは一瞬唇を閉じた。すぐに苦笑が浮かんでくる。ゆっくりと、首を左右に振った。
「ううん、駄目。それは出来ない。あたしは死ねない」
『所詮己の命が惜しいか』
「惜しいよ」
 嘲るような女神の言葉に、エリスは素直に頷いた。怪訝そうな顔を見せる女神を見つめて、自然と笑みが浮かんでくるのを自覚する。体の重みより、痛みより、ずっと強い感情が外に溢れ出てくる。
「だって、二人じゃなきゃ駄目なの。――ね、アンジェラ」
 言葉が、聞こえたのだろうか。
 宝玉の中のアンジェラが顔を上げるのが見えた。浮かんで笑みが深くなる。
「あたしは、二人で笑っていたいの。どっちかが欠けた状態だと意味がないの。それじゃ、駄目なの」
 たとえアンジェラが助かっても。たとえエリスが助かっても。
 それは、何の意味もなさない。
 アンジェラだけが助かれば良いなんて、思えなかった。そんな事を言えば、アンジェラにこっぴどく叱られるのが目に見えていたし、何より逆の立場なら、そんなことは許さないはずだ。
 あるいは、非常に傲慢で自己勝手な考えなのかもしれなかった。だが、それでも。
 ――二人でないと、駄目だった。
「あたしたちは二人じゃなきゃ駄目なんだ。だからあたしは死ねない。アンジェラも死なせない」
 剣を握るほどの余力は残っていなかった。だが、ゆっくりと肺に息を溜め、エリスは断言した。
「二人で、生きるんだ」

かぐや:最終のシーンのところだね
まなみ:やっぱり、さっきとおなじとこになるけど。このシーンかなぁ。えらぶとしたら。エリスらしい、強さだから。
まなみ:で、あんたは? この絵がお気に入り! ってのは?
かぐや:この絵!っていうのはあんまり描いてないしな……
まなみ:ハイ、次のしつもーん(笑)
かぐや:ハーイ(笑

18   この小説で取り上げたテーマやアイデアに、もう一度別の形で挑戦してみたいですか?

まなみ:――テーマ……。テーマ。なんだったんだろう。。(ぉーぃ)
かぐや:愛憎じゃないの?
まなみ:てーか、二面性?
まなみ:うーん、あえて取り上げる、って意識はしてなくても……書くんじゃなかろうか? てか、人間を書く以上、それはさけて通れない部分だろうし。
まなみ:「王道を王道として、どこまで美味しく調理するか」ってのにかんしても、あたしはつねにその方法しかしてないからね。今後もやっぱり、それは続けていくと思う。
かぐや:今までどおり、これからもってことだね
まなみ:そうだね。

19   何か、これだけはしておきたい言い訳というのはありますか?(笑)

まなみ:え、えーと。何度か落としてごめんなさい……。と、あと、これだ。
彼らの生死を決めたのはあたしじゃない、彼ら自身だ! 彼らが精一杯、悩んで悩んで考えて、考え抜いた末に出した結論です!
まなみ:いじょっ! いーわけおわりっ!(笑)
かぐや:私としてはあんまり挿絵描かなくてごめんなさい。描く気がなかったのではなく描きたいシーンがいつアップされるか分からなかっただけです。
かぐや:言い訳は以上かな(笑

20   最後に一言どうぞ!

まなみ:じゃー、まずは、かぐやからどうぞ。
かぐや:最後まで読んでくださって有難う御座います。
かぐや:これから、エリスたちは手を離れて旅立っていきます。いつか思い出として読んでくれたらうれしいです。
まなみ:ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
ウェブの素人の物書きがかいた、1500枚に及ぶ超長編を、文庫本に換算すれば五冊にもなる容量の作品を最後まで読んでくださったことに、心から感謝します。
まなみ:あなたが物語を読んでくださって初めて、エリスやアンジェラたちはあなたの中で存在することが出来ました。
あたしやかぐやもそうですが、あなたも、エリスたちの生みの親になるわけです。
だから、エリスの親友として、心から。
彼女たちに出会ってくださって、本当にありがとうございました。


注1:緑の惑星。グリーン・プラネット。元々中原とかぐやが出逢ったのはオフラインで。
   同じ職場(大阪の某テーマパーク)の同じ部署の同期としてでした。
   その部署のことをおおっぴらに言えないので内輪だけで通じる用に「緑の惑星」と呼んでいます。(笑)

注2:一番最初の縦型バナーはアンジェラでした。煽り文句は「私の親友いじめたら、殺すわよ?」 序章のあのシーンでした。

注3:ClubA&C。オンライン小説書きと読者の創作相互支援サイト。感想贈答サイトです。
    中原はここにお世話になりっぱなしです。


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